観蝶日誌
2022.7.26 更新
富良野も学校が夏休みに入り、近所の鳥沼公園のたびたび紹介しているゼフの多い「再生の森」にも親に連れられたクワガタ・カブトムシ狙いの昆虫少年の姿が見られるようになりました。こっちはゼフの産卵を狙っていますが、そんな子供にカブトムシや青カナブンなどを解説していたところ樹液の出るミズナラの木にひらひらとウスイロオナガが飛んできました。ちょっと待ってと、クワガタ探しは中断しカメラを出して追いかけ始めました。
枝伝いに歩いて幹の方に降りてきます。腹の先をまげて産卵部位を探し始めました。
ちょっとドキドキしながら、ファインダー越しに追いかけていきます。少し飛んで樹幹に取り付きました。いよいよ産卵か。
腹をまげて数分間産卵場所を探しましたが、どうも気に入らないようで飛び去り見失いました。
しばらく待つと別の♀がやってきました。この♀もあちこち動きながら腹端を樹皮のしわの部分に差し込みますが、産みません。
そんなことを3,4回繰り返し観察しましたが、結局産む場面には遭遇しませんでした。
でもどこかに産んでいるのだろうなと周囲のしわ部分を探すと今年の卵がありました。
次の日も出かけて、ミズナラの樹幹を中心に探していると結構産卵行動に出会うことはありましたが、実際に産むところはまだ見ていません。
すごく慎重に産卵場所を探すようです。観察した時間帯は午後1時から4時頃です。
さて、産卵について他の蝶も少し観察したので紹介します。まずウスイロと同じ場所で見たカラスシジミです。
今日は島ノ下にも行ってきました。イチモンジとミスジの産卵行動を観察しました。ウスイロと違って食樹を探し出しては、腹の先を葉に付けてサッサと産んでいきます。
食草に近づいてきました。
産卵です。
生まれた卵です。
ミスジチョウはカエデの葉の先端に産み付けます。
蝶の生態写真の中で産卵の写真は大好きです。母蝶が我が子のために何を考えて(?)産んでいるのかが見えてくるのが楽しいのです。
島ノ下では写真には撮れなかったのですが、スゲの生える斜面でウラジャノメの産卵ではと思う行動を見ました。崖を登って止まっていたあたりを見ましたが無論卵は見つかりませんでした。
ウラジャノメはジャノメチョウと同様、食草に産み付けるのではなく周辺に卵をばらまくという、ちょっと雑な産卵をします。ジャノメチョウでは放卵シーンを観察しましたがウラジャノメはまだです。産卵マニア?としては見てみたいものです。
以上。