観蝶日誌
2022.9.18 更新
9月に入り朝晩は冷え込むようになり、さすがに蝶の姿は少なくなってしまいました。
いつもこのころは越冬幼虫探しに出かけます。
今日は近所の鳥沼公園で、久しぶりにキバネセセリの越冬幼虫を探してみました。
事にの夏は成虫の発生が特に多く、我が家の玄関にも来襲し、ガラスの上で吸い戻しなんかをして、蝶屋以外の人には気持ち悪がられておりました。
公園の中にも発生木があり、子供たちとの観察会では葉を三角に折りたたんだ巣を「三角くじ」だよといって、その中の幼虫探しで遊びました。
まず、その発生木についている卵を探しました。すぐに見つかりました。こんな卵塊を作っていてもう全部孵化した跡です。
30個くらいの卵塊です。さて孵化した幼虫はどこへいったのでしょう。
孵化後の幼虫の行動については、私にもよくわかりません。
とくに例の折りたたんだ古い巣の中にも卵塊を産むようで、そこからがわかりません。
今日も葉の中の卵塊がありました。
三角くじに卵が入っています。
とりあえず越冬しているのか、ごつごつ出っ張っている樹皮の隙間を見てみました。パキっとはがすと…
白い膜で覆われた二つの巣が見えます。
拡大すると、巣の周りに齧りとった木の屑があります。
もうコルク層の中に入り込んでいました。
もうすこし大きめの樹皮がまくれていたのでドライバーでパキっとはがすと巣の集団が出てきました。
膜がはがされ幼虫の姿も出てきました。中央の2頭は死んでいるみたいです。巣は8個くらい並んでいるようです。
食樹のハリギリの葉はまだ紅葉の兆候もなく食べることができそうです。孵化した幼虫は摂食するかどうかはわかりませんが、今の時期に1齢の状態で越冬に入ることが分かりました。
幼虫は樹皮の隙間から内部に入り込むようです。
これは樹皮ついている棘です
これを引っ剥がすと、ついています。
別の小さな樹を見てみます。
太さは5㎝くらい、高さは3mくらいの小さな木です。こんな木にも「三角くじ」はついていたので、卵も産み付けられています。
ただし、樹皮のコルク層はあまり発達していないように見えますし、皺も少ないので入り込むところがなさそうです。
それでもよ~く見てみると樹皮の隙間に潜り込むような巣が見つかりました。
というような観察をしました。産卵から孵化して、今の越冬状態に入るまでについて、結局今年は見逃しました。
来年頑張ろう。
なんとも地味な蝶観察でした。
以上。