観蝶日誌
2022.10.31 更新
10月も終わりです。まだ雪は降っていません。先日鳥沼公園で生徒と自然観察。
たくさんの雪虫が飛んでいました。そしてヤチダモの幹には雪虫の次の世代がうごめいていました。
雪虫の体から出てきた子虫たち。オレンジっぽいのが♀でやがて卵になる。ミドリっぽいのが雪虫の一生を通じてこの時だけ現れる♂です。
雪虫の生態について、生徒たちに説明をします。テキストは石黒誠氏の本(たくさんのふしぎシリーズ、最近単行本化したもの)です。
生徒はキノコ班、魚班などに分かれて調査を始めます。私はササ食い幼虫をついつい見てしまいます。結構ついていますね。ということで本題に。
10月29日、30日に、毎年恒例になっているササ食い幼虫、特にクロヒカゲの様子を島ノ下と鳥沼公園で見てみました。
(今までの調査結果は2021年10月のの調査記録を見てください。)
クロヒカゲは2~4齢で越冬します。稀に1齢がいますがこれは凍死します。ではその1齢から。
葉の縁に階段状の食痕があります。
その次は2齢です。
頭に2本の角が生えてきます。こいつは食痕の隙間から体が見えています。葉を食べていたようです。
次は3齢です。
葉の基部に静止することが多いです。
この辺から褐色型も出てきます。なお大きさから4齢も含まれることは2021年の分析で詳しく報告してあります。
枯葉に隠れていることが多いです。色彩がササの枯葉によく似せてあるのがわかります。これは4齢でしょう。
そんな越冬態の齢数などのデータを今年も集めることにしました。葉にマジックでナンバリングしておきました。
紺の幼虫の頭の幅は2mm以上あるので4齢です。
データがまとまったら紹介しましょう。今年はなんだか3~4大きい個体の割合が多そうです。
他のササ食い幼虫を2題。まずはヒメキマダラヒカゲ。若齢は集団生活します。3匹いたのですが一つ落ちてしまいました。
越冬中にもだいたい集団は壊れてしまうことが多いようです。
最後に私の好きなオオチャバネセセリ。折り返したの巣の中で2齢で越冬します。これは折り返しの巣がまだ緑色なので脱皮前の1齢のようです。
来春以降も追跡してみます。
今回の鳥沼公園ではクロヒカゲ30、オオチャバネ3個体をマークしました。もう少し追加しようかな。
以上です。