観蝶日誌
2022.11.1 更新
今年は冬の到来が遅めで、昨日は北海道でも「小春日和」のような気持ちのいい一日でした。
そろそろ雪囲いでもしなくてはと庭で野良仕事をしていると庭先の土手の方でさかんにモンキチョウが飛んでいます。
どれどれとカメラを持ち出してしばし観察してみました。
気温は10℃くらい。少し寒いと見えて止まっては体を傾けて日光浴しています。
翅は痛んできていますが、メスは最後の力を振り絞り産卵をしています。
よく見るとシロツメクサの葉の上には結構卵がついています。
2個ついていますが、赤くなっているのは少し時間がたったやつです。
この卵たちはどうなるかというと、以前マーキングして調べフィールド図鑑にも書いたのですが、孵化しますがほとんど越冬できません。
この1齢幼虫も凍死してしまいます。
アップしてみると摂食中でした。
2齢以上に育ったもの、大方は3齢?で雪の下で越冬します。
それでも成虫は寒さで動けなくなる最後の最後まで生殖行動を続けるのです。
オスがやってきました。メスに求愛です。メスの前方から翅を震わせて交尾を促すフェロモンを送っているようです。
こちらではメスが飛びあがりそれをオスが追いかけています。
この追飛行動は普通オスがメスの前に出ているのですが、これはオスが後方から追いかける形になっていますね。
背景はミズナラの紅葉です。
先ほどの地面でのペアですが、メスの方がすごく新鮮なのが気になりました。それでネットを取りに帰りまた来るのを待っていると。
飛んできたのでネットイン。やはり最近羽化したもののようで、縁毛がピンク色できれい。斑紋が低温ショック型のようです。
以前教育大の小林君が卒論でモンキチョウをいろいろな気象条件で飼育した研究があるのですが、そのときにも15℃で飼育したものに低温ショックによる色彩パターンの変更で黒化傾向の個体(特に♀)が出出てくると報告しています。展翅中ですがこんな感じです。
なんだかヨーロッパの寒冷地に棲むコリアスのような感じがして(全然知らないのですが)気に入っています。
そろそろ雪が降りそうです、モンキチョウいつまで見られるのかな?。
以上。