6月5日十勝カラフトヒョウモンはどこに(ながもり)

2023.6.6 更新

6月5日に十勝忠類方面に遠征しました。

目的はカラフトヒョウモンの生息環境を押さえることと、チャマダラセセリの雌の確保です。

両種とも最近数が減っています。そして両種とも明るい草原に生息する蝶です。

訪問地は5月26日にアポイのヒメチャ保全関係の調査のあとに教育大のYO君と歩いた忠類の低山地です。

その時にはスミレ類の豊富な斜面にカラフトヒョウモンの新鮮なオスが飛んでいて、これはいい環境だなあと目を付けたのでした。

こんな感じの場所です。車の周囲に草原が広がっていますが、それぞれ伐採して植林した時期が違います。ササが生えてきたり、苗木が成長してくるとミツバツチグリ(チャマの食草)やスミレ類(カラフトヒの食草)が消えてしまいます。

さて狙っていった場所に行ってみます。

植林したカラマツがまだ小さくミツバツチグリとスミレが豊富な草原です。最初に迎えてくれたのはヒメウスバです。この子は林縁のエゾエンゴサクで発生したものです。

オレンジ系はいないのかなとあたりを見渡します。飛んできたのはカラフトヒョウモンよりずっと大きなギンボシヒョウモンです。

アザミの花にも止まっています。

ターゲットとは違いますが美しいオスですね。

カラフトヒの姿はありません。前回ここでオスを3頭は見ているのですが…。

たくさん飛び回っているのは、これも北海道特産種ですがシロオビヒメヒカゲ。

草むらの上をうねうね、ぴょんぴょん、オスがメスを探しています。

前回から約10日経っていますが、カラフトヒはどこへ行ってしまったのでしょう?。

別な場所に移動します。1昨年メスをゲットしたところ、昨年はさっぱりだったところです。前回はチャマがいたので、そちらも探します。

行ってみるとやはりシロオビヒメとベニシジミくらいしかいません。そこへチャマが飛んできたのでネットイン。おおつ、いいメスです。慎重に取り込みます。

この辺で産卵しているのかな、と少し巣を探してみようか、と足元を見ると、あれこれそうでしょ。

何者かの足跡の上に生えたキジムシロの小さな株です。

巣を開けてみると2齢幼虫でした。

一応追跡してみようとピンテをつけておきました。

林道を抜けてまた別の斜面に移動することに。林道わきの花をみながらゆっくり進んでいきます。

カラフトタカネキマダラセセリがたくさんいるはずが、なかなか見つけられません。やっとチシマフウロの花に止まっているのを発見。

カラスアゲハもムラサキツメクサに止まっていました。

さてカラフトヒョウモンですが、いろいろ植栽時期の異なる斜面を捜索しましたが、まったく見かけることができませんでした。

どこへ行ってしまったのでしょう?謎です。

そんな私を慰めているのでしょうか、奇麗なアヤメの花の上でシロオビヒメが交尾をしていました。

その後この低山地をあきらめ隣町を探してみますが、それらしき環境は見つからず、貴重なチャマを抱えて帰還することに。

カラフトヒョウモンとチャマについては絶滅も危惧されるので生息環境の分析をする必要がありそうです。

この低山地には植栽時期の異なる草原がパッチ状に分布しているのですが、その植栽地にはありがたいことに植栽時期を示す看板が設置してあります。

植栽地の植生変化とこの2種を含めた蝶の生息状況の変化を調べたら面白いなあと思いました。

この看板の周辺は新しい伐採地になっていますが、小さな谷を渡った向こう側は1昨年前まではカラフトヒョウモンが結構飛んでいたところです。

そんなに樹が伸びてはいなかったのですがバッサリ刈り取られていました。手前にカラマツの小さな苗も見えますね。これからどんな変化をしていくのでしょう。

さて、翌日のことですがチャマ君の採卵を始めようとタンポポとミツバツチグリのセッティングを整え、持ち帰ったケースを開けたところ、衝撃のシーン。

なんとチャマ君、ケースの中でクモの巣に引っかかっているではありませんか。古い飼育ケースの中を一応掃除したのですが‥‥。あわれにも食われて死んでいる。

😞がっかり落ち込んでいます。またリベンジかな?もうメスは無理なら野外幼虫をたくさん追跡するか・・・・。

おわりです。