観蝶日誌
2024.3.4 更新
雪を踏みしめての山歩きの第2弾です。ちょっと観蝶とは離れるのですが紹介します。
それは、私もふくめ富良野の自然大好き人間が開いている「富良野の自然に親しむ集い」の観察会のテーマに関する山歩きです。
3月中旬に開催予定のテーマは「布部風穴を探る」というものです。ちょっと長くなりますが説明します。
その風穴は2000年頃に高校の科学部の生徒たちが調査した場所です。
数年間生徒たちと調査しコケモモなどの高山植物の分布や、風穴のなかの風の移動を解明したものです。
今回みんなで見てみようとなったのは、私たちが上部風穴と呼んだ、冬に温風が吹き出す穴です。その当時の写真を最初にお見せしましょう。
岩が重なった空隙から暖かい風が吹き出していて、周囲の雪を溶かしています。
真ん中に座っているのがS君で、なんと今回の観察会は彼に講師を頼んでいますが、当時の高校生はもう40歳になるというから月日の経つのは早いもの。
さて、今はどうなっているのでしょう。ここは東大演習林の中にありますので、観察会仲間の演習林チームの協力を得て入山します。
今回は観察会の下見で、ルート設定が大きな目的です。
北広島の虫仲間のKさんも参加しています。かれは謎のユキシリアゲムシがいないのかというのも目的だそうです。
演習林には作業道がたくさんあるのですが、目的の風穴は尾根に近い斜面にあるのでそう簡単には行けません。
ルート確認は演習林の図面データを読み込んでアイパッド画面で行います。目的地は紫色の場所の上の方です。なるべく緩やかな斜面を歩きたいのですが…。
最年長の私は最後尾でゼイゼイしながら歩を進めます。まだだったかな、なんとなく思い出す風景が広がってきました。
歩き始めて1時間30分。到着しました。
温風穴は健在でした。中に入ってみると暖かい。眼鏡がすぐ曇る。
温度計を入れると7.9℃の風でした。
やれやれ、シリアゲムシは発見できなかったようですが、Kさんには貴重な体験となったようでした。
帰り道のルートもテープをつけ確認しながら下山。
途中、これはオオトラカミキリの食痕だねと、観察会仲間のUさん(彼も虫研OB)がストックで指示したのがこれ。
なるほど。食痕はあるけどなかなか採れないね。観察会チーム、演習林の虫屋のIさんも会話に交じりちょっと虫談義。
そんなこんなでちょっとヘビーな山歩きでした。
付けたしですが、前日にKさんと鳥沼で山歩きした様子を少し。
ここではウスイロオナガシジミの卵を探したのですが、やっぱりすくなくやっと1卵塊見つけました。
沼を巡って鳥の観察を少し。
驚いて飛び立つコガモ。
突然飛んできたシマエナガ。
いつ見てもかわいいね。
シマエナガ君、「風穴」の次の観察会のテーマだった。こんなにうまく出会うことができればいいのだけど。
ということで、蝶とは少し離れた山歩き第2弾でした。Kさんお疲れさまでした。
以上。