観蝶日誌
2024.5.11 更新
今年初めてアポイ詣でです。今年のヒメチャの発生は虫研OBで様似でヒメチャの保全・観察を継続されているKさんによると4月21日だったようです。
私は野外での生態調査を一区切りついたことにして、ヒメチャの域外保全の方を手伝っています。
それでもヒメチャの発生状況を見たいので、地元富良野のIさんを誘って出かけました。
ちょうど虫研のW御大、相棒の辻氏も山に来ています。ヒメチャの保全をリードするNさんも急遽様似入りしました。
その様子を簡単に報告します。
朝7時。ビジターセンターから山を望むと霧の中、天気予報では晴れてくるといいます。W御大とKさんはもう出発しています。
辻氏は今車でこちらに向かっているところ。
Iさんと樹や花を見ながらゆっくり登ります。
エゾオオサクラソウが満開で出迎えてくれました。
Iさんクマゲラの食痕を発見。さすが元東大演習林の方だけあります。アカエゾマツ・トドマツの更新の様子もカメラに収めております。
1時間半かけて避難小屋到着。桜が山肌にポツポツ見えます。ずいぶん白っぽいね。とIさん。
馬の背までの最後の坂にとりかかります。
いつものこと、この辺からペースダウン。まあそのうち着くさ。
着いたけど、寒い寒い。IさんとKさんはアポイカンバを見にいくと頂上の方に出かかていきました。
辻氏も到着。晴れるのを待つしかないね。
いろいろ積もる話がありそう。W御大と辻氏。
空を見見上げながら待つこと3時間。やっと日差しが斜面に当たりだしました。
もうすぐ正午という時間。「出たよ」と、御大。みんな集まります。
まずは日向ぼっこですね。きれいな♂のよう。飛びました。登山路を超えて、ブッシュの上。
ギョロメでもうちょっと寄れるかな。
今年初めてのヒメチャです。羽化したてのようですね。体毛がモフモフしています。
こっちのはちょっとスレていますね。メスかな?。これは4月に羽化した個体でしょう。
4,5頭が馬の背斜面を徘徊している感じです。
これもきれいな個体です。近づけるかな?
斑紋をよく見ると最初の個体とは違うオスです。
吸蜜植物はアポイアズマギク。午後になってさっぱり姿が見えなくなってきました。
ヒメチャの数は少ないようですが、発生はこれから本格化する感じでしょう。保全対策でネット掛けして確保した蛹からも徐々に羽化しているようです。
ということで、後はKさん渡辺さんに、交配・採卵はNさんにお任せして、富良野組は下山開始。辻氏はこれから道南に走るとのこと。
富良野のIさんは昔、アポイカンバの調査に来たんだよな、無事アポイカンバの花を撮影できたし、ヒメチャも見れたので満足した様子。
すごく小さい蝶に驚いていました。そうだよなあ、よく鈴木茂氏は気が付いたものだようなと、いまさらながら感心する次第。
じつは私は前日、ヒメチャの姉妹種のチャマを十勝方面で探したのですが、やはり寒い寒いで敗退しています。
ヒメチャはもちろん貴重ですが、本州では絶滅の危機のチャマのほうも気になっています。
野外で昨年ミツモトソウを食っていることがわかったので、そのほかRubus属などもふくめた食性選好の様子も見たくなっているのです。
今回はここまで。
おわります。