観蝶日誌
2024.5.16 更新
また、旭川での授業後の観蝶日誌です。
今回は超マニアックなウラジャノメの幼虫探しです。旭川近郊の低山地は早春カタクリが咲いてヒメギフが飛ぶ明るい落葉広葉樹林があります。
有名どころでは、嵐山、突哨山、旭山、キトウシ森林公園などです。仕事帰りにも立ち寄りやすいマイフィールドです。
昨年の夏にも紹介しましたが、嬉しいことに、この低山地に私の好きなウラジャノメが生息しています。
また、マニアにはメナシ型という変異型がいるので有名です。完本やフィールド図鑑の幼生期の写真は、この辺で探したものです。
相棒の辻氏と大いにねばって、なんとか越冬前の1齢から越冬後の終齢まで撮影することができました。今回もそんな思い出の撮影に挑みました。
ここは動物園の上にある旭山公園です。動物園からサルの鳴き声がひっきりなしに聞こえます。東南アジアの森に入っている感じになります。(行ったことないけど)
さて、カメラを持って遊歩道を歩くと、明るい場所にキアゲハとヒオドシがテリ張しています。
若葉が美しい。
触覚がカッコいい。
さて、ウラジャノメです。ここでは林床の明るい斜面に生えているカヤツリグサ科のショウジョウスゲが食草になっているようです。
さて、リュックを置いていつものように這いつくばって探しましょう。
ここです。以前この正面の斜面で見つけたのです。うーむ、いつものように食痕目当てですが、食痕がありません。
だめかな。とりあえず食草の花が咲いていたので撮っておきましょう。
あれれ、食痕でない?そうだよ、眼鏡をはずし(老眼で近いところは無理)と慎重に探し出します。あ、いた、と思ったら落ちたかな。
いた、いた。普通擬死で丸まってしばらく動かないんだけど、こいつは大丈夫そう。様子を見ましょう。
茎を登り始めましたね。
我が家で飼育中のもので比べてみて4齢だと思います。顔をよく見ると可愛いのです。
頑張って登っています。とりあえず撮影したので、竹串マークを刺して、他の場所も探します。
普通、1匹見つかれば、コツがわかって次々見つかるのですが、全然見つかりません。
また、戻ってみると、茎の下部に下向きに止まっていました。これがいつもの静止パターンなのでしょう。
食痕も写っていますね。食痕は葉の下の方まできれいに食べていくので、上の方に斜め切りの食痕が見えることが少なく探しづらさの一因になっているようです。
まあ、1匹でも見ることができたので、また来週の授業の後にでも寄ってみることにして、退却することにします。
他の蝶たちの様子を少しばかり。
オオミドリシジミの巣です。幼虫はこんな感じ。
ヒメギフは卵。ずいぶん空卵が多いなあ。
上の卵は9個のうち孵化しそうなのは2卵、下は7分の4です。
あとは、ミヤマセセリが結構飛び回っていました。Pierisではオオモンシロがずいぶん復活したみたいです。
春型なんでしょうが、デカイです。
春の花は、クルマバソウ、フデリンドウが見ごろ。タンポポがやたら咲き出しているのですが。山道で久しぶりに在来種のエゾタンポポに出会いました。
この株だけでしたが・・・。
山道の隙間からは水を張った水田が見えます。そんな時期になってきました。
季節が進むのが速くて、もう少し待って欲しい気がします。
富良野への帰り道、また例によって十勝連峰の様子です。だいぶ雪が細くなってきました。
おわり。