観蝶日誌
2024.7.1 更新
昨日に引き続き東京のM氏と北海道らしい蝶を探します。今日は富良野を飛ばして旭川に小遠征です。今日も暑くなりそう。
旭川のA先生も参戦です。M氏のご要望は…リンゴシジミ、カラフトヒョウモン・オオイチモンジの♀などなど。
リンゴシジミはちょっと遅いかも、とりあえずオオイチポイントへ行ってみましょう。A先生曰くオスはもう終わってしまい今はメスがいいかもとのこと。
旭川近郊のポイントで落ち合いました。
ヤマナラシが群生する丘です。先生は特殊誘引スプレーでメスを寄せ集める作戦を準備。
以前その作戦で撮った見事なメスの開翅写真を見せてもらう。一度も見たことないんですよとM氏。
産卵シーンをぜひ撮りたいなあと私。待つこと数分で「来た来た」と先生。目の前数メートルをかすめて、林の中に隠れる。
あそこあそこ、止まっているよ。
おおっ、かっこいいね。その下のスプレーをかけたヤマナラシの葉までおりてこないかなあ。と固唾をのんで見守るも、ふいと林の中に消えていく。
いやあとりあえず初対面ですよ、と、M氏。これは期待できるかも。
先生がプシュ、プシュした場所で待つことにするが、その後全くお出ましにならない。
私の持ち場?にはNeopeとクロヒカゲがやってきました。一心不乱にチューチュー舐めているので、TGでアップにしてみました。
草むらにはコキマダラのオスがテリ張りしています。奇麗なオスでかっこいいなあ。
近くに飛んできた♂を猛スピードで追いかけて、また止まります。
正面から見てみました。面白いポーズ。ビートたけしの「コマネチ!」に見え笑ってしまう。
ササの周りにはクロヒカゲとヒメウラナミジャノメ。こんな暇なときにでもちゃんと撮っておこうか。
普通種といえども味のある模様だと思います。
来ませんね。リンゴとかカバイロとか見に行きますか。と移動することに。
リンゴポイントについて、びっくりスモモが蛾の幼虫(マイマイガ)に食われて丸裸になっていました。先ほどのオオイチポイントでもヤマナラシやヤナギの葉に毛虫が群がっていて、そいつが脱糞し下草に当たる音がパチパチ・パチパチ聞こえるほどで、今年はマイマイガの大発生の年のよう。
これはダメだねとカバイロを探しに堤防沿いに歩を進める。ところがカバイロ生息地、クサフジが生える土手草原もきれいに草刈りされていて、これはダメだ。草っぱらを目指しうろうろ歩き回る。カバイロさんも同じようにうろうろしているのだろうな。日差しがじりじり容赦なく、熱中症になりそう。高齢者は水分を取らなくては。
なんとか、何に使っているのかわからないような草原に行き当たり、カバイロ発見。「いたよ~。」そうですかとMさん寄ってきます。メスですね。産卵していますね。
吸蜜を始めました。暑いよねえ~。
まあこのお母さんは、見まもってやりましょう。昔は採りまくっていたけどね。とM氏。
草原には湿ったところもあるようでオニシモツケの花が咲いています。そしてコヒョウモンがちょろちょろ飛んでいます。
キレイキレイ。
今、写真を見てみると、あれれ、ナミヒ(キタヒョウモン)のようにもみえるなあ。ひょとするとオニシモ食いのナミヒかなあ。
この2種については今は亡き兄と大学時代からずーっと追いかけていて、わかったような気がしていますが、こいつは怪しいなあ。
2種の分布は完本にものすごい数のドットで示されていますが、旭川のナミヒは春光台から江丹別方面のワレモコウ食いなのですが…。
M氏はのんびり採集しています。本州ではナミヒは激減していますが、コヒはまだいますよとのこと。オオウラギンはともかくウラギンも見なくなったとのこと。
森林性のミドリやメスグロは増えているけどね~。北海道もそうだよ~。ツマグロは下品だよね、好きになれないね~。など蝶屋のたわごと。
そういえばナミヒはキトウシにいますよ。ウラギンも無茶苦茶多いところあるよね。と、先生。帰りに寄って見ましょう。
カバイロ君のオスも飛んでいるのですが、なぜかすごく速く、高齢者には手に負えない。
昼食を購入し、またオオイチのポイントへ。しばらく待っていると、メスが来ました。
これは降りて来るかな。と期待して待っているが、なかなか降りてこない。
マイマイガに食われた枝先をウロウロしているが、あきらめて去ってしまう。
やっぱりメスは高根の花ですね。まあお目にかかれたので良かったですよとM氏。
じゃあ、ヒョウモン類を探しに行きましょうか。とオオイチポイントに別れを告げ、東川方面へ移動。
いよいよ暑くなって、ヒョウモン草原に蝶の姿がない。最後に寄った林道でヒオドシに出会う。
彼もよほど暑さにやられているのか、沢の水を啜っていました。
最後の最後のオオイチポイントでもメスは現れず、草むらのヒメシジミを撮影して、終了。
まあ、激務のストレスにやられ体調を崩している中、いいリハビリになりましたよ、M氏。
ではまた、蝦夷地で楽しみましょう。
おわり。