5・16~17蝶友たちと(ながもり)

2025.5.18 更新

5月16日好天。今日は十勝から様似に向かいます。北大虫研の蝶友たちと保全協会のNさんと様似で集まることに。

様似アポイに向かうときはいつも十勝を通ります。今日はチャマも出ているのではないかと忠類のマイフィールドに。

ヒメチャの採卵にとりくむN氏。

連絡を取り合いN氏とW御大と合流。N氏は様似は天気が悪いので十勝まで採卵セット持って来ていました。

伐採地で蝶を探すW御大。

さて、チャマ君はいるかな。W御大「メスも出ているよ。産卵していたわ。」どれどれ。

吸蜜するチャマオス。

いました。きれいですね。Nさんはヒメチャ、私らはチャマに取り組みます。私としてはメスを少し確保して採卵をしたいとおもうのですがなかなかメスは飛んでいません。

気温はどんどん上昇して25℃オーバー。蝶もへばってきているようです。

吸水するオス

伐採地の斜面にエゾシカのヌタ場になっている湿地があり、蝶が水分補給に集まっていました。

吸水するオス。前縁の折り返しがよくわかります。

エゾヒメシロ。

手乗りのチャマ君

結局、メスは2頭ほど見かけたのですが、ゲットできませんでした。

天馬街道を抜けて様似に移動します。様似では虫研の仲間Kさんと相棒Tと合流。いつものように1杯飲みながら楽しい蝶談義。

相棒と幼虫探し。

17日朝からいい天気。昨夜は酔っぱらいながら、ながもりと相棒は、明日はアポイの天気が悪いので苫小牧方面で幼虫探しにするわ。

という話になっていたのが、なぜかいい天気。ただ風が強く登った頃にガスが来そうという弱気の判断。

様似に来てアポイに登らない選択を。日高路を西に向かい厚真のキマモドポイントを責める。

まず手始めに、相棒が昨年ススキで見つけたキマダラセセリの越冬後の幼虫を探します。相棒はもう昨日少し見つけたみたいです。

相棒は地面に落ちたススキの越冬巣もマークして追跡したのですが、ススキはまだ葉が伸びておらず、別のイネ科(未同定)から見つかりました。

ススキの新芽が出るのを待ちきれず食草転換するようです。以前私もキタヨシやクサヨシから終齢を見つけています。

母蝶はススキが大好きのように思え、産卵や越冬前まではキマダラと言えばススキなんですが・・・。

キマダラセセリの越冬明けに作られた巣。中脈残しで巣は折れてぶら下がっています。

さて、本命は難敵のキマダラモドキです。ここのフィールドはキマモドの密度が高く、何年も幼虫探しを挑んでいるのですが、いまだ謎です。

今回は相棒がここのメスから採卵した卵を何か所か冬前に置いてあり、まずはその周囲から探すことに。

すると設置した卵の包みはほとんどキツネに掘り返されてしまっていました。それでも数か所から幼虫を見つけることができました。

キマダラモドキ2齢幼虫

卵を置いた場所から3mくらい離れたヒメノガリヤスにいました。食痕がはっきりしてわりと分かりやすいタイプです。

しばらくすると葉を食べ始めました。

摂食中

ヒメノガリヤスを選択しているようで、カヤツリグサ科からは見つかりませんでした。

この幼虫は、あくまで人為的に放卵したものからふ化したものと思われ、自然状態の食草選択かどうかはわかりません。放卵した場所以外のヒメノガリヤスを探しますが見つかりません。

ということで、本当の幼生期の謎はまだよくわかりません。これは我々に課された永遠のテーマです。

さて幼虫探しをしていると、ミヤマセセリが飛んできました。

ミヤマセセリのメス

ギョロメレンズでゆっくり近づきます。

綺麗なメスです。

相棒も接近中。

道端にも結構飛んできています。食草はこの林に豊富なコナラだと思います。またキマモド探しに来た時はこいつの幼虫も期待できそうです。

道端で昼食

腹が減ってきたのでランチタイム。相棒は手慣れた様子でスープをつくってくれました。

周辺にキアゲハ、ナミアゲハ、(スギタニ?)ルリシジミ、ツバメシジミ、ミヤマセセリが飛び交っています。

越冬タテハも道の上に。

ヒオドシチョウ

ベタっと止まっています。これも接近撮影へ。

魚眼レンズで撮影する相棒。

トラフシジミ

私はギョロメレンズでトラフシジミにじわじわ接近。ここまで(20㎝くらい)近づいて、逃げられる。

エゾタンポポ、背後に見えるのは熊ではありません。

キアゲハ吸蜜

飛んでいる蝶たちはみんな「ピカピカの1年生」。蛹越冬タイプの蝶です。これから幼虫越冬タイプのモンキチョウやベニシジミたちが登場となります。

それにしても季節の進むスピードが速すぎる。

昼食後も少し粘るが、私は退却へ。相棒はここから道南まで移動するとのこと。おそるべき行動力。

明日はゴマダラチョウやオオミスジを虫研のKNさんと探すとのこと。

W御大、K氏はまだアポイでヒメチャの見守りを続けます。高齢者蝶屋はまだまだ頑張るのです。

(おわり)