観蝶日誌
2025.6.2 更新
季節は廻り、もう6月です。5月末からの蝶の移り変わりの姿を紹介しましょう。
春を待っていた越冬蛹の第2陣の羽化シーズンです。フィールドは布礼別林道です。
まずはスジグロシロから。初蝶として飛び出すエゾスジグロより1月近く遅れて羽化します。
これはメスです。
コンロンソウが育ち満開になった頃に飛び始めます。
同じころツマキも飛び始めます。
林道上をオスがパトロールしています。メスが来ると追いかけます。よく見ると、モンキチョウのようにオスがメスの前に出て亜ポールするように見えます。
アゲハでは、キアゲハ、ナミアゲハに少し遅れて、ミヤマカラス、さらに少し遅れてカラスアゲハです。
吸水しては水をさかんに出して(パンピング)いました。
サカハチもアカマダラに少し遅れます。
そして、ヤマキマダラヒカゲもジャノメでは最も早い部類です。(ほかは幼虫越冬だからですね。)
獣糞が好きですね。さて、ここまでは5月27日の富良野でした。
話は変わりますが続けます。5月31日に室蘭に行ってきました。
NPO法人ビオトープ・イタンキの20周年記念の講演会に呼ばれました。写真がみなさんが造成したビオトープ。案内してもらいましたが、よくぞここまで手をかけて自然環境を作り上げたものかと感心至極。カキツバタが見事に咲き、初夏のトンボが飛び回っていました。写真の向こうには、有名な「鳴り砂」の海岸線が広がっています。土手の草原にオオカマキリの卵がありますよと、行ってみると本当にありました。久しぶりに見ました。
どこの海岸線からも遠く離れた富良野に住む私としては久しぶりに海風にあたり大いに気分爽快でした。
キュキュッと砂が鳴るのです。右側の旗の手前の土手の向こうにビオトープがあります。
さて、講演も無事終了して1泊。翌日はフリーなので、以前住んでいた近くの伊達に寄って富良野に戻ることにします。もちろん蝶探しの時間に充てるのです。
伊達と言えばカシワ林の蝶でしょう。キタアカはじめゼフ類、そしてキマモドの写真は「完本」ページをたくさん埋めてくれました。
そこで旧住宅(寄ってみたけど廃校に伴い廃墟状態でした)近く、忘れもしないキマモドの亜終齢・終齢を見つけた場所に向かいます。
懐かしい景色は昔のままでした。さっそく幼虫のついていたオニウシノケグサの食痕を探します。
高速道路を隔てた雑木林。
確かこのイネ科だったはず。懸命に探すが、見つからない。少しカシワの疎林に入るとスゲの群落。これだったかもしれないなと探すがNull.
斜め切の食痕はたまに見つかるが、どうも違いそう。あきらめ気味に、カシワのゼフ探し。キタアカは見つからなかったもののウラジロ、ハヤシは健在でした。
ウラジロミドリ3齢
ハヤシミドリ終齢
探索を断念し、前回の厚真のその後を見にいくことに。相棒が見つけたキマダラセセリと放飼したキマモドなど、うまくいけば〔本当〕のキマモド。
まずは、キマモド君。
いました。少し大きくなったかな。でも想像以上に小さい。
歩き回り「本物」を探すけどNULL.イネ科から見つかったのは、以前マークのキマダラ君。
それと新規はヘリチャ君。
それとついでに(?)クロヒカゲ君。
クロヒカゲ終齢
最後に生き残りのミヤマセセリの顔を見て退散となりました。これからもキマモド追いは続けます。
おわり。
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