観蝶日誌
2025.6.12 更新
6月に入り、内陸部の富良野では気温も夏日になり、森はどんどん緑を深めています。
大学のA先生がウラキンのパラシュートが見たいとおっしゃるので、以前たくさん出あえたS林道に入りました。
以前見たのは2020年6月3日です。それで今日あたりかなと8日を選びました。
ゲートのカギを開け(毎年入林許可をとっています。)車を進めると、なんと路に倒木が。
細い枝は切断してあるけど、本体が…。
これは無理ですね、とそこに車を置いて歩き始めます。昨日雨が降ったので路はあちこち水が浮いています。
アオダモの樹の下を丹念に探します。パラシュートに使ったと思われる葉はあるのですが本人は不在です。
うーむ、いませんね。おそかったかなあ。と、別の蝶探し。するとタニウツギの葉の上にイチモンジの幼虫が乗っかっていました。
とげとげが発達したイチモンジチョウの終齢
そのタニウツギも花が咲き始めています。そこへオナガアゲハがやってきました。
こっちにもたくさん来ています。とA先生。一株に3頭も来ています。
オスですが、なかなか白い紋を見せてくれません。
飛んだ時に見せてくれました。
ときどきツマジロウラジャノメが飛んでいる崖下です。
今年はなんとなく飛びそうね。と話していると、足元に羽化したてのジョウザンシジミがチラチラ飛んでいます。
翅を開いてくれました。
富良野周辺のタイプです。おっと飛んでいきました。
雨の日の翌日のせいか、蝶の姿がたくさん見られます。サカハチチョウもずいぶんな数です。
湿ったがけにオスがたくさん集まっています。
この他やたら目立つのがトラフシジミ。吸蜜よりも吸汁しているものが多いようです。
あとは、ミドリヒョウモンがあちこちで日光浴。そして、でっぷり太ったメスグロヒはワンダリングで、ここに決めたのか。
お腹もすいてきたので、ここを切り上げることに。
腹ごしらえして、なまこ山のヒメウスバを見にいきましょう。
山に行く前に畑の土手にべたべた止まっていました。
次はいつものF林道へ。ここではコヒョウモンの幼虫~蛹を撮影。
最後にオナガのメスをゲットしたので、餌を確保に布部方面に。
道路わき、以前はジョウザンシジミがいた崖下に車を止めて、山に入るとツルシキミが生えています。少し失敬しているうちに、なんとメスが飛んできました。
あきらかに産卵行動です。ツルシキミの葉にタッチしています。10メートルほど先の株にまとわりついています。あらら、腹を曲げています。カメラはTGしか持っていません。
とりあえず動画モードで撮影しました。もう1頭も飛んできました。あわてて望遠レンズを車に取りに帰り戻ったときには、時すでに遅し。
これが産みたての卵です。
そんなこんなの一日でした。
それで後日談ですが、翌日も午前、午後にわけ、2か所でオナガ産卵を狙いに出かけました。昨日の斜面で待っているとやって来ました。
ちょっと遠くの方のやぶの下に潜り込んでいます。近づいてみると、なんとカラスアゲハでした。たしかにカラスもツルシキミを食草にします。
写真も手振れ、がっかりです。帰り道。ちょっとしたプレゼントがありました。ミスジの蛹がありました。林道入り口ののオオモミジ。
越冬に使った巣の枯葉にぶら下がっています。たしかにミスジの蛹は枯葉に擬態しています。これが一般的な蛹化位置なのかもしれません。一つ勉強になりました。
以上です。
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