6月27~28日虫研OBと(ながもり)

2025.6.30 更新

毎年恒例になってきていますが、北大虫研の蝶友K氏が東京からはるばる富良野にチョウ遊びにやって来ました。

昼飯を食べてから、まずはいつものF林道へ。天気はいまいち、時々雨が落ちてくるコンディション。林道奥の草むらでK氏曰く「ここでカバイロとエゾヒメシロを頂戴しましたね。」

「うーん、このごろ少ないんだ。」と私。「クサフジけっこう増えているんじゃないですか。」「確かにそうだね。」と歩いていると足にチクッ。

「このアザミか、いかにも外来種のおぞましい姿だなあ。」「セイタカアワダチソウは昔ほどセイタカ状態じゃなく威勢がないのでは?」

「そのかわりこのオオハンゴンソウがすごいよ。」などと話をしながらうろうろする。

ヒョウモンの仲間が、これも外来種のタンポポモドキやフランスギクを訪花している。やっとカバイロ君を外来種群落の中に発見。

カバイロシジミ♀

「ああ、生き残っていましたか、クサフジも外来種の中でけっこう頑張っているので増えるといいね。」とK氏。全く同感とギョロメレンズで撮影。

するとK氏がタテハの蛹ですか。と呼んでいる。行ってみるとエルタテハの蛹がオオハンゴウソウの葉にぶら下がっている。

エルタテハの蛹

「どこから来たんですかね。」見渡すと発生木となりそうなハルニレは30mくらい離れている。なんでそんなに歩くんだろうねバカじゃない?

なんてまた蝶を巡る会話がはずみます。

道の上のタンポポにコヒョウモンが2頭。

コヒョウモンの♂

ヤマナラシやドロノキを見回るが、狙いのオオイチモンジのメスは姿を見せません。

もうここはいいねと、ミスジの蛹がぶら下がっていた(前回紹介)別のところに行ってみます。

行ってみるとミスジの蛹は枯葉にまだぶら下がっています。「「完璧な擬態ですよね。」と私。「どうしてこんな姿になるんですかね。だいたい彼は自分の姿を確認できないでしょ。」とK氏。

そうなんだよね。ダーウィンの説明は無理だよね。なんて会話をしていると目の前にチラチラとシジミが飛んでくる。あれ、何?ルリ、ゴイシ?。

K氏がネットインすると。何と新鮮なゴイシシジミのメス。すごいすごい。富良野2例目だよ。本道最北記録だよ。

この辺で発生したのかな?これからちょっと調べるわ。と私。

ゴイシシジミのメス

オオイチは来そうもないので、オナガの幼虫見てみる?とツルシキミのポイントへ。いました。あちこちに食痕があり、ペタペタ葉に載っています。

ツルシキミの葉の上のオナガアゲハ2齢

そろそろお開きにしようとすると、Kさん。これさっき花にいたスジグロですね。やられちゃったみたい。見るとクモに狩られている。

Kさんの虫屋の眼は衰えていないようです。

というよなことで今日は終了。

翌日は、オオイチの♀を求めて旭川へ。今日はいい天気。前回紹介したポイントに行くことに。

その前に東川のキトウシ公園に寄ってみます。

スキー場の草むらは草刈りがいつもより徹底され、いい環境だったワレモコウの群落はとくに芝刈り状態。

K氏は所々残ったススキ群落周辺をさまよっています。出始めのヒメシジミ、ギンボシヒョウモンなどをキャッチしている模様。

メナシウラジャも探してみるが、メアリばかり。

建物の壁にはヒオドシが止まっています。

なかなか美しいので彼に採ってもらう。 (道内最早記録でした。)コヒオも採れたみたい。

旭川のA・M組と合流する予定で、電話をかけるものの、電波の届かないところにいるとのこと。

とりあえず、彼らに教えてもらったポイントに向かう。途中ブルー好きのK氏はクサフジ群落があると探すのですが、どこもNULL.。

林道上にアゲハの集団が。

流石に、完品はいないようで、Kさんのネットは動かない。こっちのコチャバネの集団も採集対象ではなさそう。

ヤマナラシのポイントに到着。梢を見あげていると、メスが飛んでいます。葉の先に止まって産卵場所を探しているようです。

なかなか降りてはきません。

美しいそのお姿は「高根の花」状態で、ぼーっと眺めているだけ。彼女もお疲れか葉の上で休憩モード。

オオイチモンジのメス

どうも例の「シュッツ、シュッツ」で呼び込まないとダメそう。A・M組にヘルプと携帯を見るとこちらも圏外。

文明の利器もお互い圏外にされかまってくれないよう。

K氏が、このトンボは何ですかね。とネットインしたヤンマを見せに来た。よくわからないね写真だけ撮って後で調べてみると結構レアなサラサヤンマらしい。

メタボ腹に止まるサラサヤンマ?

昨年も行ってみた別のポイントにでも行ってみますか、と圏外を脱出すると、AM組から連絡組が入ってくる。

彼らは、オオイチの新産地を発見した後、ウラジャポイントに行くようです。まあそうしますかと旭山方面で合流する。

Mさんは、やあやあと挨拶もそこそこにずんずん林の中に入っていく。KさんAさんと続いていく。

私はちょっとスピードについて行けず水分補給しながらゆっくりすすむ。ウラジャが時々やってくる。アザミの花にヒョウモンが多い。

最近はメスグロがうじゃうじゃ増えている。

メスグロヒョウモンの♂

道の先でオスがメスを追いかけまわしている。

メスグロのペアからみ。

しばらくすすむとK氏がいる。「Mさんはあいかわらずの馬力ですな。どんどん行ってしまったわ。ハハハ。」

そうこうすると別の蝶屋を引き連れて彼らが戻ってくる。Mさん他の蝶屋に「この先にウスイロオナガとダイセンがいましたよ。」

「オオイチはもうこの辺は終わりですね。」などと蝶ガイドをしている。

毎日車を飛ばして蝶を追いかけている彼の情報はお金を払ってもいい価値があると思うが惜しみなく披露しています。

彼から目の前でとらえたカバイロやメスグロのメスなどをいただき、仕事があるとのことでAM組は風のように去って行きました。

70歳組は熱中症の危険もあるので、このへんでエタノールの入った水分補給をしに、居酒屋に惹かれるように富良野に帰りました。

家に着くと玄関前のキリンソウにメスグロ・ギンボシ、ヒメウラナミ・コキマ・コチャに混じってキバネセセリもうじゃうじゃ集まっています。

居酒屋では、6月なのにゼフやキバネが出て、オオイチはもう終わり?温暖化ですかね。50年前は・・・などなどあいかわらず蝶談義は尽きませんでした。

(おわり)