8月31日:横浜より:クロマダラソテツシジミ(つじ)

2021.9.3 更新

先日のクロマダラソテツシジミ(複数のHPを見ると「クマソ」とあるので以下「クマソ」)の幼虫がソテツから消えてしまったので、別の場所を探してみた。
※ちょっと長いですが、我慢して見てみてください。

クマソは昨年三浦半島で初めて観察した。「ならば自宅近くでも!」と探した中の一つ。集合住宅の駐車場に複数のソテツが植わっている。昨年は残念ながら見ることができなかった。今年は‥?

到着してすぐ目に入ったのは、並んだ奥の食害されたソテツ。♂も一頭いた。

葉の裏には、蛹の抜け殻。

喜んで撮影した後、幼虫を探すが見つからず。先日の花木園と同様だ。
駐車場のもう片側を見ると、 やはり葉が食害されている。

近づいてみると、遠目からは枯れたように見える葉におびただしい数の幼虫が見つかった。

一枚の葉の葉脈に複数頭が群れている。

小葉を見ると舐めるように食べられているのがわかる。

また、葉の主脈の太いところに食い込んで、中に入って食べているようにも見える。

たくさんいる褐色の幼虫の中に、稀に緑色の幼虫がいた。

しばらく撮影していると、♀らしき個体が飛んできた。

♀が♂の近くを飛ぶと、♂が寄ってきて求愛するも、ほどなくあきらめ離れる。を何回も繰り返していた。(左♂、右♀)

メスを追っていると、今まで気がつかなかったが、奥のソテツに何やら白いホコリ?いや、卵か?
さらに見ると頂上のあたりに幼虫。

よく見ると、卵に穴もあいている?もうすでに孵化していた。

なるほど、葉がまだ展開していない株にたくさん卵がついていて、

展開している株に幼虫がたくさん

そして最初の食害が激しい株には幼虫は見当たらない…。

三者三様のようだ。ソテツの大きな株は6つあり、全く幼虫のいない株もある。そういえば、昨年三浦半島では大量のソテツがあるのに、成虫やら幼虫がいた株は限定されていた。♀がどこからか飛んできて、たまたまその時に産卵適期の株があれば、そこに集中して産む!ということなのでしょうか?
これだけ卵がついているのだから、もう少し♀がいても良いのに、とは思ったが、成虫はアチコチに飛んで移動しながら産卵適期の株を探しているのかな~?移動性が大きいのかもしれない?などと考えてしまった。
それならば!と、すでに幼虫がいない株で蛹を探そう! 幹の鱗片やら株の下やら探したが、結局最初の葉の裏の一つだけ。帰宅後ネットで見ると、葉の付け根の綿毛のような箇所に多いとのこと。もう一度探しに行ってみよう。
少しお持ち帰りしようと、卵のたくさんついていた展開前の葉をよく見ると、先ほどは気がつかなかったが、何頭か幼虫が表面にいる。

若齢が中に潜っているようなので、飼育には良いだろうと、ひとかけら採ってみる…。おっと内側にはこんなに幼虫が!
はずした箇所を見ると、ご覧の様に糞だらけ。展開前の葉の重なった側に潜って食べているようだ。

持ち帰った葉についていた終齢幼虫たちは二日後にはすでに蛹になってしまった。

そっか~、展開前の葉=若齢、というのは早トチリだったことを理解しました。展開前の集合している葉の内側で活動しているんですね。
‥といいながらHPアップできず日数が経ち、もう一度観察に行くはめに。
三日後、雨模様の中、あんなにいた株の幼虫はグンと減少。自宅飼育が蛹になったのと同様だろう。

若葉の群れも食害で(?)外観が変化していた。外に出ている幼虫も多い。

葉の主脈に食い込んでいるのがよくわかる。 上手く適期を選んで行けば、大集団の羽化が見られるかも…!!
う~ん、楽しみに継続観察を続けていきたいな、と。