9月14日アポイのヒメチャ

2021.9.16 更新

9月14日。教育大旭川チームのアポイ岳のヒメチャ生態調査のラストです。

前日に日高のT林道で蝦夷ツマジロウラジャノメの2化をねらったのですが、天気が悪く零敗。

支援センターがコロナ対策で閉鎖中なのでアポイ山荘に泊まりました。

さて、当日はすばらしい秋晴れ。気分よく登り始めました。

7時15分。登山口の入林届。今日は誰もいないのかな?

登り口の看板。熊に嫌われだんだん傷口が広がっている。

学生たちのペースに合わせるのはきついので、先に行っていいよと声をかけ少し幼虫探索をしながらゆっくり登る。

コチャバネセセリです。切り落とされた食痕があり例によって越冬巣を探すが見つからなかった。

これはクロヒカゲ。2齢幼虫ですね。

避難小屋を過ぎると、ベニヒカゲが飛んできた。かなり傷んでいる。

産みたそうな気もするメスだけど、まだ寒いかな。

こっちのメスは結構新鮮だ。

見上げると新伐採地に学生の姿がみえる。

もうひと頑張りせねば。

終齢幼虫の株全体をネット掛けしたところから蛹をひとつだけ見つける。

石のわきのイネ科植物の枯れ草をゆるく綴って入っていた。手でひっかいたので巣が少し崩れてしまった。

腹部の向こうに糸を吐いてつくったネットが見える。ほぼ自然状態の蛹化に見えます。

その他現地で保管中の、ネット掛けで大量につくった蛹も見てみました。

こんな感じです。元気そうです。

S君が馬の背に私が卵から仕掛けたネットが一つ撮り残していたのを発見。中を確認すると無事に蛹になっていました。

ネットから出してハイマツの陰に置いておきました。

来春はこれらの蛹から羽化した成虫がたくさん群れ飛ぶことが予想されます。皆様、観察・撮影のチャンスですよ~。

N君の研究テーマのトレイルカメラ、アリの活動調査も終了。12時過ぎに下山。

昔のマムシセンター脇の草むらに入るとヒョウモンチョウの天国でした。

教育大チームは採卵用にウラギンスジなどをお持ち帰り。ベニヒカゲもいたのでこれもお持ち帰り。

ヒョウモンの中にあれ、こいつは?S君これ採ってみてとネットインすると…クモガタの♂でした。下の写真。

車の前で採集品を整理しています。

S君がこのセセリは?と持ってきたのは飛び古したイチモンジセセリでした。

あまりお目にかかることのできない2種に会えて、ちょっと満足。

このあとはひと風呂浴びて一気に旭川に向かいました。

ヒメチャの保護活動は今後登山路脇のハイマツを2か所で伐採する予定です。

成虫を増やしても暮らし続けることができる環境を改善することの方が大切なことです。

今後も保護の手を入れなければならないでしょう。

以上。