観蝶日誌
2022.4.17 更新
この時期初の北海道行き。まだ枯葉下で寝ているかものゴマダラチョウ幼虫を見に道南へ。
数年前の晩夏、永盛さんがここの斜面でヒグマに遭遇しているので心配だったが、ポイントに到着すると、雪こそないもののまだ浅い春。見通しの良い状況で少し安心。
さっそく山の斜面に取り付き探索を開始した。風で飛ばされているのか、株元にほとんど落ち葉がない木もある。こんな感じの根元の枯葉をめくる。
…と、何枚目かで突然幼虫!
石に静止している。めくった葉にもついていたのか右の腹足が浮いている。幸先良し!しばらく撮影タイム。まだ寝ているようだ。
幹には?と思い顔を上げる。これまた目に入ってきた。目立たないようにか、樹皮の割れ目に静止している。
木登り途中の静止?これからあの梢まで上っていくと思うと、大変だ~。
またまた撮影タイム。四・五分経過、突然動き始めた。不思議なことに幹を下っていく。カメラ撮影が刺激になり逃げ始めたように感じられた。
どんどん下がり始め、顔の前から撮影しようとすると頭を左右にふり、嫌がっている様子で進行方向を変える。顔を大きく撮りたいが、進むのと左右に振るのでピンボケばかり。カワイイ!
このように下がり続けていった。
さて、また落ち葉で探そうと別の木を見てみる。
いた。枯葉の裏に越冬状態幼虫。
これで越冬幼虫2、動き始め1。ちょうど端境期なのかもしれない。
他にも幹にはいないか?と目をやると、今度は登っている幼虫発見、速い!どんどん登っていく。
反対側の面にも1頭発見。
隣の木にも同様に2頭の木登り幼虫発見。
試しに計測してみると、1分で9.2㎝移動。単純計算だと60分で5.4m。登り始めたらそれほどかからず枝に到達できそうだ。
場所を変えて別の木も観察。最終的に6本のエゾエノキで10頭の木登り幼虫を発見できた。
(↓スマホで写してみた写真:とてもきれいに撮れ感激)
最初の3頭を加えると、13頭の幼虫を観察できたことになる。
帰り際、下枝の芽を撮影してみた。まだ芽吹きは先のようだ。
ただ下から仰ぎ見た少し上の枝の芽は少し膨らんでいるように感じた。
いずれにせよ、幼虫たちはこのスピードで登り、枝の股あたりで芽吹きを待つ、というのが春先のゴマダラチョウたちの活動開始なんだろうな、と感じた次第。
2時間程度の観察だったが、こんな光景を見ることができ、思いがけずとても楽しい時間を過ごすことができた。
良い気持ちで車へ戻り、さあ出発! ¨と、太ももに今シーズンの初もの!
ダニくんでした。それほど植物が茂っていたわけではなかったが、今年も気をつけよう。