観蝶日誌
2022.5.19 更新
5月14・15日に旭川の教育大チームとアポイのヒメチャを見にいきました。
昨年クラウドファンディングでの支援を受け、チョウ類保全協会のNさんのリードの元、
採卵~ネット掛けを行いたくさんの蛹を確保した成果の確認です。
今年は4月21日が初見でした。虫研OBのKさん、先輩のW御大を中心に現地調査が行われています。
アポイの天気は気難しくも晴れ間を見ては、昨年より多数の羽化~繁殖行動が行われていることが分かってきました。
さて今回は調査員を増やし馬の背地域全般のルートセンサスを行う日でもありました。
(前回は5月7・8日相棒の辻氏も加わり多数のカウントができています。)
14日。天気予報通り小雨が降る中出発。虫研現役北大院生2名、教育大学生院生学生3名、おじさんグループ4名の9人構成です。
馬の背到着するも日差しはなく、サマニユキワリもご覧の通り。
ルートセンサスはあきらめて、大学チームは研究の準備を行う。
それでも薄日になってきた早めのランチタイムにS君が1♀、私が1♂確認撮影しました。
今ハマっているギョロメで撮ったオスです。
相変わらずモフモフしていて可愛いですね。
あとは卵を少し見つけました。(Kさんからは4月25日に産卵の確認を受けていています。驚きの早さです。)
昼過ぎにまた雨も降り始めたので、明日に期待して下山。
ところが15日も曇天。ガスが次々流れてくる。ルートセンサスの配置をして1時間粘るが観察ゼロ。
やはりアポイの天気は気まぐれです。そんな中登山路脇で卵を探していると、あれれ卵ではなくオスが「ついて」いた。
触覚を下げて活動停止の姿勢です。縁毛が一欠けもなく美しくそろって羽化したてのようです。
一般登山者も加わり、貴重なモデルにカメラの放列です。
私たち教育大チームはお昼で下山、あとは虫研チームにお任せしました。
ヒメチャの乱舞は見られませんでしたが、発生は順調だなと卵の付き具合からも推し量られそうです。
その証拠。A先生が見つけた3卵産卵ショットです。
今回は室内で管理している蛹も現地に置いてきました。
これからまだまだ発生が続くことでしょう。ただ、発生できる環境は限られています。
やはりヒメチャの絶滅を脅かすハイマツ伐採を拡大していかなければなりません。
昨年から伐採の許可を申請していますがまだ許可の判断が出ません。
保全策の手遅れで絶滅したオガサワラシジミの二の舞にはさせたくないのですが…。
ではまた。