観蝶日誌
2022.5.23 更新
富良野も緑が濃くなり、夏鳥も渡ってさえずりはじめ、それに輪をかけるようにエゾハルゼミの鳴き声がうるさくなってきました。
近所のゼフ達のその後です。我が家のミズナラについていたゼフたちはもう蛹になっています。前回お見せした公園のゼフたちはどのくらいに育っているのでしょう。
車を止めると。そのわきのミズナラのひこばえにオオミドリシジミの巣がありました。
おわかりでしょうか。右の方の葉がしおれています。
その葉の裏にいました。
3齢のようです。
さて、ゼフたちの幼虫ですが、基本的にはこのオオミドリのように葉の中脈を齧り、葉の硬化を防ぐ習性をもっています。
なので、ミズナラにつく夥しい蛾の幼虫などの中から、ゼフ幼虫を見分けるコツのはこの「中脈齧り」を探すことだと最近分かってきました。
さて、雑木林に入っていきます。低い枝が横に伸びていて非常に探しやすいので、すぐに「中脈齧り」と幼虫が目の前に現れました。
この雑木林になぜか多いウスイロオナガです。
これはもう終齢のようです。
あちこちに「中脈齧り」幼虫が見つかりました。これは2ショットです。
これは終齢のようです。
横から見ると背中の突起がカッコイイですね。
この子たちは全然隠れようとしないで葉の上に止まっていて大丈夫なのでしょうか。
周囲では「焼酎一杯ぐいー」とセンダイムシクイが鳴いていますが…。
そのほかのゼフも「中脈齧り」で見つかりました。
アカシジミです。これは摂食に出てきたようで、普段の静止位置は葉の基部です。
うまく隠れています。腹部の下にある茶色い筋は、ミズナラの、何だかよくわかりませんが茶色っぽいひものような部分に似ています。
同じようにウラミスジシジミも見つかりました。
この隠れ方も上手に思えます。茶色いもしゃもしゃした「鱗片の残骸?」に体の模様を合わせているように見えませんか。
次に見つかったのはアイノミドリです。これは積極的に鱗片を絡めて巣のようものを造り中に隠れています。
これは若い葉までも糸でくっつけています。
それぞれ工夫しながら、ムシクイたちの野鳥から見つからないように隠れているのがわかります。
ゼフたちアカシジミなど早いもので終齢、大方は3齢でした。6月に入ると蛹化が始まるでしょう。
アカシジミは葉の裏で緑色の蛹になりますが、そのほかは結構長いワンダリングを行い、かなりの確率で落下し、枯葉の下などで蛹化します。
落下するところは、以前、兄が指導していた高校生の研究グループがジョウザンミドリ、エゾミドリなどで昼夜観察を続け、その瞬間を目撃しています。
ウスイロとウラミスジは体色がミドリ系から褐色系に代わってから蛹化しますね。
そんな蛹化するところ観察できないかなあ~と思ってはいます。
(そういえば、今日は普通種のジョウザンミドリ、エゾミドリは見つからなかった。)
おわり