6月21日高校の授業から

2022.6.21 更新

富良野高校のオリジナルな学校設定科目「富良野の自然」の講師をやらせてもらっています。

富良野市内のいろいろなフィールドに出かけ動植物の調査をおこない自然の仕組みを学ぶものです。

先日6月18日に市内の朝日が丘公園で昆虫採集を行いました。

前週にしかけたピットホールトラップを回収したり捕虫網やビーティングネットを使い虫捕りをします。

そんな中で面白い発見がありました。ビーティングを行っていたグループから「師匠(私の呼び名)これなんですか?}の声。

覗き込むとなんとムモンアカの終齢幼虫!

ムモンアカシジミの終齢

ネットの上を見るとミズナラの枝にアリがうろうろ、ムモンアカの発生木でした。

「でかした。これは発見だ。」と図鑑のページを見せる。と、向こうからまた「これなんですか?」と呼んでいる。

行ってみるとミドリヒョウモンの蛹。その生徒は腐った桜の切り株を破壊していて見つけたそうな。その横の幹には終齢がうろついていた。

ミドリヒョウモンの蛹

ミズナラの幹をワンダリングするミドリヒョウモンの終齢幼虫

彼らはこの切り株からツヤハダクワガタもゲットしているではないか。

ツヤハダクワガタの♀

「おぬしやるな。」高校生たちと楽しい昆虫採集を続けました。

それで、そのあとアポイに向かい、19日に帰ってからさっそく翌日朝日が丘公園に行ってみました。

まず、ムモンアカの発生木に行ってみましたが、幼虫たちの姿はもうありませんでした。根際を探しても前蛹も見つかりませんでした。

アリとアブラムシをサンプリングして、ミドリヒョウモンのいた朽ち木の方に行ってみます。

すると、圧巻。イチイの横に伸びた太い枝の下に蛹、前蛹がたくさんぶら下がっていました。

ミドリヒョウモンの蛹がぶら下がるイチイの木

ミドリヒョウモンの前蛹と蛹

ミドリヒョウモンの蛹(濃色タイプと淡色タイプ)

いやあ、まさに鈴なり状態でした。ここは公園管理の方が草刈りをしていてタチツボスミレが広がっているところです。

(以前はこの近くの斜面にカラフトヒョウモンが発生していて、その時の終齢の写真が「完本」に載せてあります。)

全部で15個も見つけました。羽化シーズンに来てみよう。

その後、そういえば鳥沼のシータテハ終齢はどうなったのかな?といつものミズナラ再生林に行ってみました。

シータテハ前蛹

終齢のいた枝から隣の枝に移ったところでぶら下がっていました。

そして今日21日、蛹になったかな?と撮影に出かけました。

シータテハ蛹

無事蛹になっていました。

公園を一回りして撮影した画像をおまけに添付します。

スジグロチャバネセセリ終齢幼虫

スジグロチャバネです。ここは富良野に生息することを初めて気づいた思い出の場所です。今では旭川でも普通に見られます。

次はこれ。

最後に気持ち悪い幼虫ですみません。これはあの美しいクジャクチョウに変態するのですから不思議ですね。

夏至を過ぎると、オオイチモンジはじめ立派なタテハチョウたちが次々羽化し始めます。

以上。