ヒメチャマダラセセリのクラウドファンディングのお礼・報告

2022.1.9 更新

遅くなりましたが、絶滅が危惧されるアポイ岳のヒメチャマダラセセリ保全を目指したクラウドファンディングの報告です。

2021年3月25日から50日間かけてヒメチャの保全のための支援をクラウドファンディングで募りました。

お陰様で目標額(250万)を上回る282.7万円が集まりました。ご協力いただきありがとうございました。

 

この支援に力を得て、チョウ類保全協会の中村さんを中心に、母蝶からの採卵、孵化した幼虫のネット掛け、室内飼育を進めました。

詳しくは支援いただいた方にお届けした保全協会の会誌32号に紹介しておりますが、おおよそ次の通りの実績を上げました。

母蝶からの採卵数は1726卵を数え、そこから孵化した幼虫を現地の食草にネット掛けし、終齢まで育てて放飼した個体が242個体、蛹で越冬させているものが185個体

それとは別に、北海道教育大学旭川校・富良野で飼育して蛹で越冬させているものが102個体です。

活動の様子は、本HPの2021年の観察記録のコーナーで5月、7月、9月に紹介していますのでご覧ください。

 

今年の春はネット掛けで育った次世代の成虫がたくさん飛び交うことと思いますが、保全のために一番大切なのは生息環境の保全です。

今後は現地のヒメチャの生息環境を狭めてきているハイマツの伐採に取り掛かりたいと思います。

今後とも氷河時代を乗り切ってけなげに生き続けているヒメチャが消えてしまうないように手を打ちながら見守っていきたいと思います。

改めて、支援にご協力いただきお礼申し上げます。

左側の露岩地はハイマツを伐採した試験地。右の斜面に白い幼虫ネットがみえる。アポイ岳7合目:2021年7月20日)